令和5年5月27日(土)神埼清明高校で神埼ジュニア新体操クラブの演技会が行われた。
コロナが5類に引き下げられた直後の演技会で、保護者の方も制限なく観戦することができた。
15:00にスタートした演技会はどこか迷いの空気が感じられました。
応援はしてもいいのか、歓声はあげていいのか。
その空気は徐々に壊され、会場がだんだんと熱を帯びていくことを感じた。

初めの演目は、みんなでタンプリング。
幼稚園生から中学3年生まで、始めたばかりの選手から全国大会で優勝経験を持つ選手まで。
神埼ジュニア新体操クラブではとにかく壁がない。
壁がないからこそ学びあいが生まれ技に対する理解が深まる。
壁がないからこそ初めて挑戦する技でも頭の中にイメージが湧く。
「タンプリングの神埼」はこうして脈々と受け継がれていくのを感じた。

次は塚本悠人選手のロープの演技です。
昨年の九州大会では、種目別ロープ、個人総合ともに2位という実力者。
そんな塚本を下したのは同じ部内の内川。
両者とも小学生離れした表現力を兼ね備えた小学生だ。
一つ年上の内川が中学校にあがり、小学生をまとめる立場になった塚本にはさらに強さが加わってきたように感じた。
今までは胸に秘めているだけだった闘志が徐々に表出し、フロアーの外にまで伝わる演技をする日も遠くない。

次に登場したのは牟田将崇選手。
小さな顔と長い手足からは想像していなかったタンプリングの3連続つなぎには驚いた。
徒手の演技構成では次に何をしてくるのか分からないドキドキがあった。
最後まで攻めた演技内容だった。
また踊りこみさらに素晴らしい内容へと進化することを期待している。

続いて山本陽路選手が登場した。
まだ華奢な体つきで座ったポーズをとるとさらに小さく見えた。
しかし曲が鳴り始め、一瞬の間を置いた後、山本選手が動き出した。
その瞬間会場の空気が変わった。
何かが始まるわくわく感を皆が感じたのだと思った。
ミスも多く、実際の大会だともしかしたら低い点数なのかもしれないがそのポテンシャルと彼が持つ独特の空気に期待せざるを得ない気持ちになった。

次は中尾丞想(じょうそう)選手が登場した。
きりっとした顔立ちでフロアーにのった瞬間に熟練の匂いがした気がした。
ひざやつま先の緩みは感じられたが、早くて高いタンプリングと素早い動きは「ザ・神埼」だと思った。
これでまだ小学6年生。これからどんな選手に成長するのか楽しみだ。

クラブの個人で登場したのは大隈斗希夫(ときお)選手だ。
今年中学生になったと聞いておそらく初めてのクラブだろうと思う。
最初のに両手を広げてポーズをとる。
その背中から勇ましさを感じた。
半分の袖は長袖、で半分はノースリーブという真新しいデザインのユニフォームが非常に良く映えるポーズだった。
体はまだまだ成長過程という感じ、動きの随所に硬さやぎこちなさが見えるが堂々としていて見ていて気持ちがいい。
どんな入り方からも力強く繰り出されるタンプリングはまさに神埼という感じだ。
これからこなしや魅せ方を研究しさらに素晴らしい選手に成長していくことだろう。

スティックで登場したのは塚本瑞樹選手。
塚本悠人選手の兄。
長身で細長いスタイルの持ち主でまさに個人向きの恵まれた体型。
動き出すとそのスタイルと裏腹に力強い跳躍や振りが感じられた。
こちらも初めての種目?ということで回しのぎこちなさや不慣れ感は感じられるが、投げは落とさずきれいにまとめた。
松田聖子の「瑠璃色の地球」の楽曲が彼の雰囲気によく合っていてとてもよかった。

そして樋口諒(ひぐちりょう)選手が登場した。
神埼ジュニアのキャプテンを務める樋口選手の演技はスター性を感じるものであった。
小さい顔に長い手足、そこには程よい筋肉が付き立っているだけでこの選手はうまいなと感じることができる。
スピード感の中にも情緒的な表情や動きがちりばめられ、見ていて飽きがこない。
投げ技も安定感があり次年度に控える佐賀国スポにも即戦力なのでは?と感じた。

団体は3チームが出場していた。
まず登場したのは小学生団体Bだ。
この日は都合により4人での出場だった。
低学年だろうか。とても小柄な印象を受けた。
しかし中央でポーズをとっている選手が動き出した途端驚いた。
あふれんばかりのスター性を感じた。
男子新体操が好き!かっこいい!という思いを体現できる実力。
その選手から目が離せなくなった。
ステップをする選手としない選手がいておそらくまだ練習段階なのだろう。
しかしきびきびとした動きは見ていて微笑ましくもなるとても魅力あるチームだった。

今回見たかったものの一つにガールズ団体がある。
サニックスカップの動画を見てとても楽しみにしていた。
今回は5人での出場だったがサニックスカップよりさらに洗練されいたように感じる。
ラストポーズとても小さい女の子が腰をそってのポーズは圧巻。
見ていた人からも歓声が沸いた。
女の子ならではの動きを感じるところも多いが、これを男子新体操の力強い動きにどれだけ近づけるか楽しみだ。

最後に団体や個人に出場していない選手のなわとびチャレンジとバク転チャレンジを紹介する。
なわとびチャレンジでは、保護者の方もみんなで応援し、とても温かい空気になった。
まだ覚えたての縄跳びを一生懸命跳ぶ姿に感動した。

バク転チャレンジでは、コーチの先生の補助のもと小さい子たちがバク転に挑戦していた。
もうほとんど一人でできそうな選手もいた。
また、選手が挑戦したら周りの選手が声を上げて盛り上げていたとところがとてもよかった。